①章の1 時代の変遷とまごころ絆バス提案
その絆バスとは、市の端っこ周りに住んでいる高齢の独居者や高齢夫婦、高齢親子が医療センターに路線バスを利用してやってきた帰り、食料や日常品等を買い物する際のお手伝いをするボランティアである。
急速な人口減少に伴い、市の端っこ周りに最寄りの食料品店が閉店してしまい、新鮮な食料品を購入する機会が端っこに住む高齢者には激減していった。そんな買い物難民化した高齢者を少しでも助けたいと、パート兼業主婦の京子が丹波市に提案したのがきっかけだった。
京子は、医療センターまで徒歩十五分。車で五分。比較的便利なところに住んでいる還暦近い高齢者予備軍で、自身の免許返納に備えて、あれこれ近未来の日常生活を想像してみた。今ある公共交通を使って自立した生活がおくれるかどうかと…、その思考の途中でこれから描く「まごころ絆バスという買い物支援」の案を思いつき、まずは物語として成功させてみたくなった。
この買い物支援のボランティアには報酬を用意した。その報酬とは、週に一回一時間程度の買い物支援をすると、バス会社と、買い物利用のお店から1ポイントずつもらう。50ポイントたまると丹波市内路線バス乗り放題半年期間パス、100ポイント貯めると乗り放題一年期間パスがもらえるというものだ。そして、この「まごころ絆バス事業」は提案から6年後に丹波市や丹波市商工会、丹波市社会福祉協議会、バス会社の協力のもと2025年秋に実現の運びとなった。(今のところ完全に筆者の妄想です!フイクションです。念のため!2019年現在)